俺、お前に惚れてんだけど。
奏太はラグマットの上に座ると、テーブルの上に頬杖を付いてまっすぐあたしと目を合わせた。
奏太に恋愛相談なんて恥ずかしいけど、今はとにかく誰でもいいから話したかった。
お母さんみたいに茶化したりしないだろうし、何より晴斗と仲が良いから真剣に聞いてくれるはず。
「うん。それで?」
だから正直に全部話した。
最初は大嫌いだったけど、好きになってしまったこと。
気持ちを伝えたけど、友達でいたいって言ったこと。
でもやっぱり、それじゃ嫌だから彼女になりたいって思ったこと。
その途中で現れた早苗さんのことについて全部。
「あ〜……っ、井川(いがわ)か。まだ晴斗のことが好きなんだ」
井川って……?
早苗さんのこと?
そっか、中学から同じだから奏太も早苗さんのことを知ってるんだ。
「晴斗の奴、振られた時はかなり落ち込んでたけど、本人が終わったって言うんならそうなんだと思う」
「で、でも!気持ちが戻ることだってあるじゃん。振られて落ち込んでたってことは、それだけ好きだったってわけで……」
「うん、かもな」
か、かもなって。
我が弟よ、ちょっとはフォローしようよ。