俺、お前に惚れてんだけど。
「もうひとつ言わせてもらうと。好きじゃなくても、昔付き合ってた仲なら情もあるだろうし。晴斗が優しくしてたからって、気持ちはそう簡単には変わらないと思う」
「で、でも……」
それでコロッと傾いちゃうことも、なきにしもあらずじゃん。
情って……。
「奏太って、晴斗のことは何でもわかるんだね」
ガキっぽかった奏太が、なんだかすごく大人に見えるよ。
「ん〜、晴斗のことがわかるんじゃなくて……。俺も晴斗と同じ時期ぐらいに、好きだった彼女に振られて落ち込んでたから。気持ちがすごいわかるんだ」
えっ!?
な、なんですと!?
「そ、奏太って……彼女いたの!?」
ウ、ウソッ!!
あれだけおっとりしてて、恋愛に興味がなさそうだったくせに!!