俺、お前に惚れてんだけど。
その日の午後。
家に引きこもってばかりなのもどうかと思って、久しぶりに外に出た。
梅雨に入ったのか、入ろうとしてるのかジメジメしててうっとおしい。
どこに行くわけでもなく、歩いているとモミジ公園にたどり着いた。
デートの時、晴斗と待ち合わせた公園。
そんなに時間は経ってないはずなのに、なんだか懐かしい。
あの時、晴斗はうさニャンハウスに連れてってくれたんだよね。
プレゼントまでくれて……。
それぐらいしか頑張れないからって。
そう……言ってくれたんだ。
晴斗……。
「新島?」
噴水の近くのベンチに座っていると、突然目の前に影が落ちた。
低い声にはどこか聞き覚えがあって、何となく身体が強張る。
「さ、真田、君……」
「うわ、なんか久しぶりだな」
「えっ……あ、うん」
っていうか、なんでいんの?