俺、お前に惚れてんだけど。


「チョコレートパフェおふたつですね。かしこまりました、少々お待ちくださいませ」



ふくよかな中年女性の店員さんは、注文を取り終えて厨房へ戻って行く。


その途中で、新しく入って来たお客さんにニコッと微笑んでいた。


かなり親しげな笑顔だけど、知り合いでも来たのかな……?



「いらっしゃい。可愛い女の子連れちゃって。デート?」



からかうような声が、遠くにいるあたし達の席まで聞こえて来た。



「いや、そんなんじゃないっすよ」



ん?


何だか聞き覚えのある声。



「も〜!晴斗ったら〜!デートでしょ?照れないの〜!」



えっ!?


ーードクン


な、なんで……。


晴斗と早苗さんが一緒にいるの。



「彼女さんかしら?可愛いわね」



「えへへ、ありがとうございます〜!」



「早苗。いい加減にーー」



か、彼女……?


な、なにそれっ。


やっぱり……晴斗は早苗さんを選んだってこと?


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