俺、お前に惚れてんだけど。


だけど、晴斗は早苗さんが好きなんでしょ?


いいよ。


もういいから。



「やっと言ったな」



涙が視界がボヤける中、晴斗がフッと笑った気がした。



「んっ……っ」



そして、距離が縮まったかと思うと唇に落とされたかすかな温もりに思考が停止した。


目を見開いたまま、身動きすることが出来ない。


唇に確かに感じる体温。


あたし、晴斗と……。


キ、キス……しちゃってるんだ。



それを認識したのはしばらくしてからだった。


掴まれた手首がジンジン熱くて。


慣れたように目を閉じる晴斗の顔を見ることしか出来ない。


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