俺、お前に惚れてんだけど。


唇から伝わる熱が……晴斗の気持ちを表しているようで。


今度は温かい涙が頬に流れ落ちる。



「なんで泣いてんだよ?」



唇を離したあと、晴斗が指で優しく涙を拭ってくれた。


その仕草があまりにも優しくて。


さっきまで怒ってたのがウソみたい。



「だ、だって……」



嬉しくて。



「カン違いしてるかもしんねーけど、早苗とはなんもねーから」



晴斗は髪をクシャッと掻き上げながら、まっすぐにあたしを見る。


その瞳があまりにも男っぽくて。


恥ずかしさのあまり目を伏せる。



「昼間あいつといたのは、今日1日付き合ってくれたらきっぱり諦めるって言うから仕方なくだし」



「え……?そ、そうだったんだ」



「あいつ……プライド高いけど悪い奴じゃねーし。けど、志帆に嫌な思いさせたんならごめん」



「…………」



なんだか複雑だったけど、小さく首を振った。


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