俺、お前に惚れてんだけど。


「もう会ったりしねーから」



「う、うん……」



早苗さんと会ってたから泣いてたわけじゃないけど、そう言ってくれてホッと胸を撫で下ろした。


もう会わないって、未練がないってことだよね?


晴斗を信じて……いいんだよね?


ううん、信じたい。


晴斗が好きだから。


今までくれた優しさは紛れもなく本物だった。


そんな晴斗を……信じてみる。


晴斗なら信じられるから。



「だから、そろそろ……」



晴斗は今度は耳元に唇を寄せた。


ーートクン


色っぽくて艶のある声に心臓が飛び跳ねる。


今日だけで、どれだけ忙しなく動くんだあたしの心臓は。



「俺の彼女になってくれませんかね?」



…………



あー!


もう!


そういうことを真顔で言われると、どうしようもなくなるんだってば!



「ぷっ」


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