俺、お前に惚れてんだけど。
ウソ。
晴斗が照れてる。
「っていうか……晴斗でも照れることってあるんだ?」
そう言うと、じとっと見つめられた。
拗ねているのか、唇を尖らせている。
「俺だって一応人間だからな」
「いや、それはそうだけど……」
だって、いつも恥ずかし気もなく涼しげな顔をしながら『俺、お前に惚れてんだけど』とか言って来たじゃん。
そっちの方が、よっぽど恥ずかしいと思うのはあたしだけ?
「つーか、どうすんだよ?俺の彼女になんの?なんねーの?」
「……な、なりたい!」
りんごみたいに真っ赤になった顔を隠すように、掴まれた手を振りほどいて晴斗の首にギュッと抱きついた。