俺、お前に惚れてんだけど。
入学式の日、晴斗が『付き合っている』とウソをついたことで、あたし達はクラスでも公認のカップルだった。
本当のことを知っていたのは、里緒と木下星矢だけ。
今までの晴斗の行動を目の当たりにしているクラスメイト達は、今さらあたし達が肩を抱き合おうが仲良く喋ってようが興味がないみたい。
というよりも、見慣れたんだと思う。
だけど、あたしは付き合ったっていう事実があるだけで全然違う。
隣にいる晴斗が気になって授業に集中出来ないし、目が合っただけでドキドキするし。
なんせ、落ち着かない。
そして付き合って変化したことがもうひとつ。
「しーほ。飯行こうぜ」
お母さんお手製のお弁当を手に晴斗がニッと笑う。
「うん。でも、今日は暑いから中庭はやめない?」
「あー、じゃあ非常階段のとこ行くか」
「うん」
そう。
お昼休みを晴斗と過ごすようになったこと。