俺、お前に惚れてんだけど。


体育館のそばの非常階段に来ると、あたし達は狭いスペースに隣合って座った。


肩と肩が微妙に触れて、なんだか気恥ずかしい。



「そういえば……晴斗って、いつあたしを好きになったの?」



恥ずかしいけど、ずっと気になっていたことを聞いてみた。



「んー?いつだったか忘れた」



「え?わ、忘れたんだ?」



なにそれ。


普通、忘れなくない?


ひどいよ。



明らかに落胆していたあたしを見て、晴斗はクスッと笑った。



「なーんて、ウソに決まってんだろ」



「え?ウソ?」



ひどいっ。


結構本気で落ち込んだのに。


たまにこんなイジワルをして来る晴斗は、あたしの反応を見ていつも満足そうに笑う。


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