俺、お前に惚れてんだけど。
「早苗も俺んちの事情知ってたし『落ち着くまでは待ってる』っつって、会うのガマンしてくれてたんだ。そっから半年経って、気付いた時には『もう好きじゃなくなった』って突然振られて」
晴斗がどれだけ早苗さんを想っていたかが伝わって来て、正直これ以上聞きたくないと思った。
胸が締め付けられる。
だけど……逃げちゃいけない。
拳をギュッと握り締めて、晴斗の声に耳を傾けた。
「ぶっちゃけ、かなり落ち込んだ。けど、自分の行動考えたら仕方ねーなって。構ってやれなかったし」
晴斗の寂しそうな横顔を見て、胸がキリキリ痛んだ。
「そんなことないよ。晴斗は悪くない。待てなかった早苗さんが悪いんだよ」
晴斗が大変な時に振るなんて。
今となってはそれで良かったけど、何もそんな時に追い打ちをかけて晴斗を傷付けなくてもいいのに。