俺、お前に惚れてんだけど。


「行ったら行ったで、お前んちの家族はすげー良くしてくれて居心地が良かった。その中でも、志帆があまりにも幸せそうな顔して晩飯食ってんの見てすっげえ笑えたんだ。しかもその日、おかわり3杯ぐらいしてたから余計に」



「ウ、ウソッ!?3杯も食べた覚えないんだけどっ!」



しかも、そこ見られてたんだ?


なんだか恥ずかしい。


まさか、惚れた理由がそれだって言わないよね?



「いや、食ってたから。あれはマジで衝撃的だった。それでまぁ、こいつ、悩みとかなさそうだなーって思い始めたんだよ」



「ウ、ウソッ……マジか」



食べてたなんて。


あー、その時のあたしのバカ!


なんでもう少し乙女らしいことをしなかったの?



「なんだかんだでマイペースな奏太に翻弄されてる志帆も面白かったし。あー、こいつと付き合ったら楽しいだろうなぁって自然と思うようになって」



な、なんだかバカにされてる気分なんだけど。


だけどまぁ、真剣に話してくれてるから許すとするか。



「気付いたら惚れてた」



ーードキン



そっか。


そうだったんだ。


知らなかった。


じゃあ、結構前から想ってくれてたってこと?



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