俺、お前に惚れてんだけど。
「ほら、志帆も早く座って。お腹空いたからご飯にしましょ」
「あ、うん」
そう言われてお誕生日席に着く。
斜め前には、それぞれお母さんと久間君がいる。
そしてお母さんの隣にはお父さんが、久間君の隣に奏太が座っている。
普段は奏太の隣だけど、久間君が遊びに来ると決まってあたしの席はここ。
4人掛けのテーブルだけど、ゆったり大きめに作られているせいか狭くはない。
「おばさんの料理、美味しいからいつも食べ過ぎちゃうんですよ」
爽やかな黒髪を揺らしながら久間君が笑う。
「あら〜。やだわ、久間君ったら〜!どんどん食べてね」
お母さんも料理を褒められて悪い気はしないらしく、嬉しそうに笑っている。
「そうだぞ〜!どんどん食べろよ!育ち盛りなんだからな」
「そうよそうよ」
お父さんとお母さんは、どうやら相当久間君がお気に入りらしい。