俺、お前に惚れてんだけど。
「昨日、奏太の部屋に泊まったんだ」
あたしを見てニッコリ笑う久間君。
その笑顔はものすごく爽やかなんだけど、なんだか胡散臭い気がするのは気のせいかな。
愛想笑いっていうか、どうしても何か裏がありそうな気がして疑いの目で見てしまう。
ダメだダメだ。
きっと真田君と系統が似てるから、無意識にそういう目で見ちゃってるんだよ。
「なーにー?まだ制服のままじゃない。またそのまま寝たのね、志帆ったら」
う、だって。
「仕方ないでしょ、眠気に勝てなかったんだから」
ちょっと恥ずかしくなって、寝ぐせがついた髪を手で整えながらダイニングの椅子に座った。
「そんなんじゃ男の子にモテないわよ〜!高校生になるんだから、もうちょっとちゃんとしなさい」
苦笑いを浮かべながら、お母さんは朝食が乗ったトレイを持ってテーブルまでやって来る。