俺、お前に惚れてんだけど。
お味噌汁のいいにおいがしたかと思うと、急激にお腹が空いて鳴りそうになった。
「久間君はどう思う?志帆みたいな女の子」
なにを思ったのか、お母さんはニコニコしながら久間君にそんなことを言う。
「ちょっと、なに言ってんの!変なこと言わないでよ!」
恨みを込めた視線を向けるけど、そんなことはお構いなしに久間君を見ているお母さん。
もー!
なに言ってんのよっ!
こんなこと聞かれたって、困るだけに決まってるじゃん!
それに……!
久間君みたいな爽やかな人は、か弱い女の子が好きだって決まってるんだよ。
「も、もうお母さんったら……久間君が困ってるでしょ」
そしてちらりと彼に目をやると、なぜか妖しげな顔で笑っていた。