俺、お前に惚れてんだけど。
なんで笑ってるんだろう……?
不思議に思って首を傾けると、次に口を開いたのはお母さんじゃなくて。
「可愛いと思いますけどね」
久間君だった。
はい……?
か、可愛い……?
ーードキッ
お母さんに返事をしたはずなのに、まっすぐにあたしを見つめる久間君の瞳に鼓動が鳴る。
いや、ありえないでしょ。
可愛いとか。
あ!
そっか。
これはお世辞だ。
お母さんにもおべっかを使う久間君なら言いそうなことじゃん。
ふー、危ない。
騙されるところだった。