俺、お前に惚れてんだけど。
だいたいねー、あたしのどこをどう見て可愛いだなんて言えるんだか。
お風呂も入らずに制服のまま寝ちゃうような奴だよ?
ボサボサの髪で朝ごはん食べちゃうような奴だよ?
「あら〜、久間君ったらお世辞がうまいんだから」
……って!
お母さん!
そりゃあたしもそう思ったけどさ!
もう少し娘をフォローしようよ!
「いや、本当っすよ」
「またまた〜!いいのよ、気を遣わなくても」
「いやいや、ウソじゃないっすから」
な、なんなの。
2人ともありえないんだけど。
もうやめて!と叫びたい気持ちに駆られながら、美味しそうにご飯を食べる奏太に目をやる。
1人だけ呑気なんだから!!!
ちょっとは助けてくれてもいいのに、マイペースもここまで来ると嫌になるよ。
穴が開くほど見つめていると「なに?」と首を傾げられてしまった。
いや、奏太……。
『なに?』じゃなくて。
助けてよっ!