俺、お前に惚れてんだけど。
ニッコリ笑う久間君からは、当たり前だけど本心を読み取れない。
だけどサラッと軽く言ったから、絶対にこれはお世辞だ。
いや、考えるまでもないよ。
わかりきっていることだし。
「すっげえタイプだし、一緒にいたら楽しそう。雰囲気が温かそうっていうか、心が癒される感じですね」
な、なんなの……っ。
またそんなにサラッと思ってもないことを言っちゃって。
ここまで堂々と言われると逆に清々しい気もするけど、なんだか見下されてる気がしてイライラして来た。
「いい加減にしてよ!」
お茶碗と箸をテーブルの上に叩きつけるようにして置く。
そして弾かれるように椅子から立ち上がった。
「思ってもないことを言わないで!だいたい『大歓迎』ってなに?あたしはねー、久間君みたいな爽やかイケメンが1番嫌いなのっ!あたしのタイプは……不良みたいな……い、いかついヤンキーなんだからっ!」
言うだけ言ってダイニングを出た。
階段をドスンドスンと音を立ててあがりながら、イライラを鎮めようとしてみる。