俺、お前に惚れてんだけど。


でもだからって、このまま1人でいるのはツラい。


友達、出来るかな……?


高校生にもなって、こんなことで悩まなきゃならないなんて。


はぁ。



「ねぇ」



心の中でもう一度大きなため息を吐いた時、頭上から声がしてゆっくり体を起こした。



あたしに……言ったんだよね?


恐る恐る顔を見上げる。



そこで目に入った人の姿に、あたしは思わずボーッとするほど見惚れてしまった。



うわぁ。


すっごい可愛い子。


というよりも、美人!!



ほんのり茶色のゆるふわウェーブがかった髪と、モデル並みのスタイル。


真っ白な肌に、大きくてパッチリ二重の目。


薄いこげ茶色の瞳がすごく綺麗で、吸い込まれそう。


こんな子がクラスにいたんだ?



「は、はい……?な、なにか?」



「あたし、門倉 里緒(かどくら りお)。よろしく」



「え……?あ、はぁ」



その美少女は無表情のまま言うと、何事もなかったようにスタスタと自分の席に戻ったのだった。


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