俺、お前に惚れてんだけど。
「お前の友達に俺のこともちゃんと紹介しろよな。彼氏だって」
あたしの隣に立ち、ニヤリと嫌味な笑い方をする久間君。
憎たらしいけど整った顔立ちのせいか、やっぱりカッコ良い。
「だから彼氏じゃないってば!あたし達、付き合ってないからっ!」
門倉さんの顔を覗き込みながら、必死になって否定する。
どうしてもここで誤解をといておきたかった。
「照れ屋さんだなぁ、志帆ちゃんは」
そう言ったのは門倉さんじゃなくて、久間君の友達の木下星矢だった。
「だーかーらー!違うからっ」
元はと言えば、あんなことになったのは木下星矢のせいなんだからねっ!
しかも、いつの間にか『志帆ちゃん』呼びになってるし!