俺、お前に惚れてんだけど。


「中学の卒業式ん時に、やっとオッケーしてもらったんだ。俺、今超幸せ!」



さらに目を細めた木下星矢は、門倉さんの前でデレデレしながら頬を赤くした。



世の中絶対間違ってる。


木下星矢は可愛い顔をしてるけど、どっからどう見ても間違いなくチャラ男だし。


門倉さんっっ!



ーーバンッ


あたしは机を叩いてグイッと顔を近付けた。



「木下星矢のどこが良かったの?」



もったいないと思うのはあたしだけ?


他にもっと良い人はいなかったの?



「え」



言葉を詰まらせ、戸惑うように茶色い瞳が揺れる。


次第にほんのり色付いていくピンク色の頬。



淡々としているように見えたけど、今は明らかに動揺の色がうかがえた。


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