俺、お前に惚れてんだけど。
「な、なにすんのよっ」
「それはこっちのセリフ」
久間君は涼し気な顔で、まったく悪びれている様子はない。
この人の中には『反省』とか『罪悪感』って言葉が抜け落ちてるんじゃないかな。
強引で俺様で自己中で……!
意味不明な彼女宣言に、あたしがどれだけ苦労してるか知らないんだ。
必死に誤解を解こうとしてるだけなのに、久間君はそれを楽しんでいるだけ。
悪魔だよ、本当に。
「これだけウワサになっちまったら、今さら否定しても誰も信じねーよ」
「誰のせいだと思ってんの?」
平穏なあたしの学校生活を返してよ。
こんなはずじゃ……なかったのに。