俺、お前に惚れてんだけど。
見せるなんて一言も言ってないんですけどっ!
「返事しないからだろ。忘れたんだから見せろよな」
「そっち側の人に見せてもらえばいいでしょ!」
小声で久間君の耳元で囁いた。
あんまり大きな声で話してると、ギャルさん達の突き刺すような視線を感じて居心地が悪くなる。
すれ違い様に舌打ちされることもしばしば。
久間君は何も知らないんだろうけど、こっちは色々大変なんだからねっ。
「俺は志帆じゃないと嫌なんだよ」
「……な、なんで?」
あたしが小声なのにも関わらず、久間君は涼しげで声も大きい。
まるで周りにわざと聞かせてるみたいな。