私の弟がヤンデレ過ぎて困る。
『…ショウ、待っ…』
ショウは、私の腕を掴み、朝早く誰もいない1階の図書室に連れて行くと、私をその場で解放した。
「…ここなら、誰かが来る事も無いし、おねぇちゃんとたっぷり話せるから、図書室って良いよね。」
と言いながら、後ろのドアの鍵を閉めるショウ。かなり、慣れた手つきだ。
「……言いたいコト分かるよね?」
ショウは、鍵をポケットにしまうと、私の方にニコリとも笑わない無表情な顔を向けた。
あ、ヤバい、相当御立腹だ。
「…言い訳は、聞かないよ?あの金メッキがおねぇちゃんを迎えに来たのは、知ってるから。俺が聞きたいのは、どうして、俺をおいて…行ったかって事なんだけど。…話してくれない?」
ショウが、私の方に近付いてくる。
暗く淀んだ瞳で、私を見て、今にも襲い掛かりそうな雰囲気で、私に一歩一歩ゆっくりと、近付いてくる。
「俺を呼んでくれたら、あの金メッキを二度とおねぇちゃんの前に姿を現せない様に出来たのに。おねぇちゃんが、言って くれたら…俺、どんなコトでもできるんだよ?おねぇちゃんの為なら、俺は…」
私の髪を一房掬い上げると、私の腰に手をまわして、鼻先が触れてしまいそうな位置で、私にこう言った。
「【なんでも】できるのに。」
ぞわりと背筋が、震える。一歩後ろに下がってしまいそうなショウへの恐怖心が頬を撫でた。
「…俺の世界には、おねぇちゃんがいれば良いんだ。おねぇちゃんだけ、いれば良い。他のヤツなんて、誰もいらない。」
ショウの指が、私に触れる。
私の頬を撫でて、愛おしそうに、髪をとく。
私は、