堕ちるのに一秒もかからない
『偶然』あおいside
『おにぃだよ!』
どれだけホッとした?
いつもどおりにバイト先に行き、仕事をこなしてたら
彼が綾花と入ってきた。
二人は仲むつまじそうに笑ってる。
ハッーと綾花が私に気づく。
え、なんで?もしかして、綾花の好きな人ってこの彼だったの?
どうしよう…。
なんて思ってたら〝綾花のおにいさん〟
ほんとうにびっくりしたし、こんな偶然ある?
綾花の好きな人だったらどうしよう。
って考えたあの一瞬は何時間にも感じられた。
怖かった。
好きな人が好きな友達とかぶるのが。
先に好きになったもんがちってゆー訳でもないのに…
『いまからおにぃのライブ行くの!』
『あ、そうなんだいいなー!行ってみたい…』
この言葉が引金だったのかもしれない。
行ってみたい。
そう口からこぼれた言葉はちゃんとハルさんに届いてた。
『来週くる?あおいちゃん』