堕ちるのに一秒もかからない
『どうする?』 れおside


『じゃあ、俺はあやちゃんの横でいいかな?』

『あっ、はい!』

ハルがどうしてもと無理矢理、半ば強引に決定した焼肉。

こないだも食ったとこだってあんまり、乗り気じゃなかった。

でも、あやちゃんをみつけたんだ。

ニコニコ笑って友達と喋ってる。

ハルの妹…っよりそれより、なにより、理由をつけて話しかけたかった。


流れで一緒に食べることになって

あやちゃんの隣に座る。


『なにか頼まれますか?』


そう言ってメニュー表を渡してくれるあやちゃん。

細い指に綺麗な爪。

女の子の手だ。

『ありがとう。あやちゃんは何か食べるの?』

『あー、私一番好きなお肉、塩タンなんですけど、さっきまでずっと食べてて…レオさん何が美味しいお肉とかってわかります?』

『あー、それならこれかな?』

そう言って俺の一番のお気に入りを指さす。

『じゃあ、私もそれ頼みますね!』

サッと横の髪を耳にかける仕草。

それがどうしようもなく大人っぽくみえてしまう。
今時の女の子はこんなものなの?

すごくかわい…『あ!レオ!綾花と近い離れろ!』


『うるさい、おにぃ。はやく、肉決めなよ!』

『ひど、ねぇあおいちゃん?』

『あっ、はいそうですね!ひどい!』

あはははと笑う3人。

あっぶね。

何考えてたの俺。



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