堕ちるのに一秒もかからない
『そーゆー感想ももっと聞きてぇし、この後の打ち上げこない?』
一瞬、私だけに言っているのかと思った。
目線を逸らさずじっと私の目を見つめるハルさんの目。
『行ってもいいんですか?』
『いいよ。』
ほら魔法。
閉じてた口さえも開かせてしまう。
ドキドキの音が漏れそう。
『よし!じゃぁ打ち上げのとこまで連れてってよー!おにぃ!』
『おう、いこーぜ、二人とも!』
綾花の一言で向かい始める。
どうしよう。ほんとに汗臭いのに…
公園からほどなくしてついたのは
和風の外観をした、飲み屋さんだった。
『音々?』
『そ、音々っつー店なんだけど、音楽好きな俺たちには持ってこいっしょ?』
そう自慢げにも誇らしそうにいう彼は
ステージでの彼を棄てたみたいだった。