堕ちるのに一秒もかからない
『レオ…』
少しさみしそうにハルが言う。
『あいつさぁ、きっと怖いんだよ。』
怖い?
『ちょっと昔あってさ、好きになった奴はいてもそいつには絶対になにもいわねぇんだ。まぁ、あいつにそこまですきなやつがいたってのもあれからねぇんだけど。』
あれから?
さっきからハルは意味深なことばかり言う。
彼女の過去については彼女の口から聴いた方がいいに決まってる。
それに、ハルは絶対に彼女にとって、マイナスになることはしない。
『だからさ、今はただ好きでいてやってくれよ。あいつが気付けばそれでいい。』
俺にはまだ分からなかった。
ハルのいっている意味が。