堕ちるのに一秒もかからない
なにも予定が無かったので家に直帰。



『ただいまー!』



あれ?


靴が2足ある。



おにぃと、誰?



サイズから見て男の人。友達かな?



なんて思いながら自分の部屋のある二階に足を運ぶ。



トントン…階段をあがって、角を曲がったとこが私のへ…ドンッ!!!


『うわぁ!』



何かに当たった反動で後に身体が持っていかれる。


ドサッ…ーー



『あっぶねぇーー大丈夫?ケガねぇ?』



微かに香るムスクの香り。


大きくて角張った綺麗な手。


レンズの奥から覗く黒目がちの目。


駄目だっーー。って思った。



でも、もう遅かった。



『あれ?ほんとに大丈夫?』


ボーッとしてたわたしに声をかける彼。


『あ、はい。大丈夫です。こちらこそすあません。』


淡々と、言ってしまったのはきっとドキドキのせい。



下を向いてるとおにぃが部屋から出てきた



『れおートイレなげぇーよぉ…ってなにしてんの?』



『お前の妹にぶつかったんだよ。別になんもねぇし、そんなおこんなってシスコン(笑)』


レオさん?


え、てか、え?シスコン?!



『え!?シスコンてなに!?』


『いやぁ、こいつさ、ずっと妹のことばっか喋っててさみんなシスコンシスコンって呼んでんだよって…本人目の前にしてゆうことじゃねぇか(笑)わりいな』



そーなんですか…。


おにぃが私に対してシスコンレベルに達して過保護してたのはわかってたし、


私を目の前に言ったって全然いい。



ただ、ただ、くしゃっと笑ったその顔にキュンとした。






ほら、むりだった。




これ、恋だわーーー。





《もうしないって決めたのに?》






























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