ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
「"あれ"?」
首を傾げるあたし達を余所に、姫は泉に向かって右手をあげた。
すると泉は意思を持っているように二つに割れて、泉の中央に一直線の道が開けた。
泉の淵から水底に向かって階段ができており、その先に続く道の上、泉の中央には小さな神殿が佇んでいた。
泉の底に神殿が沈んでいたなんてどの文献にも載っていない。初めて見た。
「まさかこんなところに神殿があったなんて…」
あたしの呟きに翔太も頷いた。
「初めて知った」
きっとあたしや翔太だけじゃない。この国に住むほとんどの者が知らない事実だ。
知っていたのは、この泉の守護者だけ。
「案内します。こちらですわ」
姫は戸惑うあたし達に凛とした表情で声を掛けた。
水は透明で、降り注ぐ光を受け水面の陰を柔らかく映し出す。
普段は決して立ち入ることのできない泉の底を歩いているというのはすごく不思議な感覚だった。
そして神殿の前まで来ると姫はあたし達に言った。
「ここはこの国ができる前に建てられた、ラトセーヌ神殿です。建てられた当初はこの辺りに小さな泉があったそうですが、神殿を飲み込むほどの大きさではなかったそうです」
神殿の大きさはそこまで大きくもない。大人が5人で手を広げれば囲んでしまえるほどの大きさの建物と、その建物を護るように柱が四方に聳えている。
首を傾げるあたし達を余所に、姫は泉に向かって右手をあげた。
すると泉は意思を持っているように二つに割れて、泉の中央に一直線の道が開けた。
泉の淵から水底に向かって階段ができており、その先に続く道の上、泉の中央には小さな神殿が佇んでいた。
泉の底に神殿が沈んでいたなんてどの文献にも載っていない。初めて見た。
「まさかこんなところに神殿があったなんて…」
あたしの呟きに翔太も頷いた。
「初めて知った」
きっとあたしや翔太だけじゃない。この国に住むほとんどの者が知らない事実だ。
知っていたのは、この泉の守護者だけ。
「案内します。こちらですわ」
姫は戸惑うあたし達に凛とした表情で声を掛けた。
水は透明で、降り注ぐ光を受け水面の陰を柔らかく映し出す。
普段は決して立ち入ることのできない泉の底を歩いているというのはすごく不思議な感覚だった。
そして神殿の前まで来ると姫はあたし達に言った。
「ここはこの国ができる前に建てられた、ラトセーヌ神殿です。建てられた当初はこの辺りに小さな泉があったそうですが、神殿を飲み込むほどの大きさではなかったそうです」
神殿の大きさはそこまで大きくもない。大人が5人で手を広げれば囲んでしまえるほどの大きさの建物と、その建物を護るように柱が四方に聳えている。