ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
対して泉の大きさは普通の一軒家ならば40軒はすんなり入ってしまえるほどだ。

「どうして泉は神殿を飲み込むほどにその水を蓄えたのだろう…」

姫はその問いに答えずに神殿の中央にある建物に近づいて「これを見てください」と言った。

指し示されたのは建物中央部の壁だった。

覗き込んだあたしと翔太は目を見開いた。


「これは…!」


心臓が大きくなり、冷や汗が止まらない。

そこに描かれていたのは魔物の絵だった。そしてその魔物はあたし達がよく知るもの。

さっき封印した、あの黄金の麒麟・チーリンが描かれていた。


「どうしてチーリンの絵がここに…」


すると姫は「この神殿が聖獣伝説に関わるからですわ」と答えた。


「聖獣はこの国のどこかで封印され永い眠りにつきこの国を護っているとされています。けれど聖獣のうちのひとつ、チーリンが現れました。原因は分かりませんが、他の聖獣も動き出すかもしれません。そうなれば再び聖獣を封印しなければならなくなります」

それからあたしをじっと見つめて、「けれど聖獣の封印には相当の魔力が必要となりますわ」と言う。

聖獣の封印には、人よりも魔力量が多いとされるあたしと翔太の魔力が欠乏するほどの魔力量が必要となる。

聖獣は全部で5体。あと4体をもう一度封印しなければならないとなると、とても身が持たない。


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