ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
結界の外まで出ると、翔太が待ってくれていた。
「異常はないようです。魔物も出てきてはいないそうです」
「分かりました」
翔太と晴人さんは他人面して話す。事務的なやりとりだ。
今すぐにでも言ってやりたかった。晴人さんは翔太のことを大切にしてるんだよって。翔太の可能性にかけたんだよって。
だけど言えなかった。あたしが言って何になるのって思ってしまったんだ。
「さあ、帰りましょうか」
翔太の言葉に、姫は「そうですわね」と頷いた。
「お願いしますわ」
それからいつものように姫の乗った籠付き箒を守るようにしてその両脇をあたしと翔太が飛ぶ。
呪文を唱えて上空まで飛ぶと、巨大なラトセーヌの森が姿を現す。
ラトセーヌの森は円を描くような丸い形をしていた。その森の中央にあのラトセーヌの泉があるのだ。
とてもきれいな場所だと今一度思うのと同時に遠くから声が聞こえてきたような気がした。
「え?」
振り返るけれど何も見えない。
耳を澄ませても何も聞こえない。
気のせいだった?
そう思って前をまた向いた時だった。
風の中に微かにジジジ…という音が聞こえた。
慌てて振り返ると遠くに何かが見える。
あたしは隊から離れて進行方向とは反対側を向いた。
「由良様?どうしたのですか?」
姫は籠の中から顔をだして不思議そうな顔をする。それと同時に籠つき箒をあやつる晴人さんも、護衛の衛兵も、翔太まで、箒に跨ったままその場にとどまる。
「異常はないようです。魔物も出てきてはいないそうです」
「分かりました」
翔太と晴人さんは他人面して話す。事務的なやりとりだ。
今すぐにでも言ってやりたかった。晴人さんは翔太のことを大切にしてるんだよって。翔太の可能性にかけたんだよって。
だけど言えなかった。あたしが言って何になるのって思ってしまったんだ。
「さあ、帰りましょうか」
翔太の言葉に、姫は「そうですわね」と頷いた。
「お願いしますわ」
それからいつものように姫の乗った籠付き箒を守るようにしてその両脇をあたしと翔太が飛ぶ。
呪文を唱えて上空まで飛ぶと、巨大なラトセーヌの森が姿を現す。
ラトセーヌの森は円を描くような丸い形をしていた。その森の中央にあのラトセーヌの泉があるのだ。
とてもきれいな場所だと今一度思うのと同時に遠くから声が聞こえてきたような気がした。
「え?」
振り返るけれど何も見えない。
耳を澄ませても何も聞こえない。
気のせいだった?
そう思って前をまた向いた時だった。
風の中に微かにジジジ…という音が聞こえた。
慌てて振り返ると遠くに何かが見える。
あたしは隊から離れて進行方向とは反対側を向いた。
「由良様?どうしたのですか?」
姫は籠の中から顔をだして不思議そうな顔をする。それと同時に籠つき箒をあやつる晴人さんも、護衛の衛兵も、翔太まで、箒に跨ったままその場にとどまる。