ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
「そ、そんなに怒らなくても良いでしょう?」
「怒ることです!怒らずにはいられないに決まっているでしょう!この緊急時に一体何をお考えなのです!」
晴人さんは痛烈に怒っていた。彼が怒る理由はあたし達にもよく分かった。
とんでもない魔力を持つ聖獣が解き放たれて暴走しているんだ。止めたくなる気持ちもよく分かる。
「だ、だって、最後に城下に行ったのはもう10年は昔のことですのよ?ずっと行きたいって思っていて、ようやく時間ができたというのに…」
姫は悲しそうだった。ずっと願っていたことだったんだろう。
何も、無理難題というわけではない。城下町に行く、そんなささやかな願いすら、もう10年も叶えられていないなんて。
あたしは拳をぎゅっと握りしめた。
「お許しいただけるなら、晴人さん」
一歩前に出て頭を下げる。
「城下町での姫の護衛、あたしにお任せいただけませんか」
周りにいる人の視線が一斉に向けられる。
「由良、様…」
晴人さんは困惑しているらしかった。
「由良、お前何言ってんのか分かってんのか?」
翔太は怒っていた。確かに、確実に、目の奥が怒っている。
「分かってる」
あたしはその目を真っ直ぐ見て答える。
分かってるよ、全部。纏わり付く危険も、起こりうることも。
「ただ、願いを叶えてあげたいんだよ」
「怒ることです!怒らずにはいられないに決まっているでしょう!この緊急時に一体何をお考えなのです!」
晴人さんは痛烈に怒っていた。彼が怒る理由はあたし達にもよく分かった。
とんでもない魔力を持つ聖獣が解き放たれて暴走しているんだ。止めたくなる気持ちもよく分かる。
「だ、だって、最後に城下に行ったのはもう10年は昔のことですのよ?ずっと行きたいって思っていて、ようやく時間ができたというのに…」
姫は悲しそうだった。ずっと願っていたことだったんだろう。
何も、無理難題というわけではない。城下町に行く、そんなささやかな願いすら、もう10年も叶えられていないなんて。
あたしは拳をぎゅっと握りしめた。
「お許しいただけるなら、晴人さん」
一歩前に出て頭を下げる。
「城下町での姫の護衛、あたしにお任せいただけませんか」
周りにいる人の視線が一斉に向けられる。
「由良、様…」
晴人さんは困惑しているらしかった。
「由良、お前何言ってんのか分かってんのか?」
翔太は怒っていた。確かに、確実に、目の奥が怒っている。
「分かってる」
あたしはその目を真っ直ぐ見て答える。
分かってるよ、全部。纏わり付く危険も、起こりうることも。
「ただ、願いを叶えてあげたいんだよ」