ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
「え?」


驚きを隠せないのはあたしの方だった。

何もしていないのに、こんな風に仲良くいられるなんて信じられない。

何か2人が意識していないことがあるのかな、とあたしは考え出してみたけど一向に分かる気がしなかった。

すると雅人が「そういえば」なんて突然声をあげる。


「美玲はよくズバズバ言うぞ。寂しいときは『寂しい』、むかついたときは『むかついた』、いらいらしたときは『いらいらした』って」


「遠慮がねえ」と愚痴をこぼした雅人に、「何ですって」と美玲がすぐさま報復する。

制裁を受けながら、雅人は「褒めてんだよ」と何とかそう言った。


「お互い思ったことをすぐ言えるっつーことは、お互い何を考えているのか分かるっつーことだ。そうしたら、喧嘩だってしないでいられる」


「それが離れてもすれ違わないでいられる方法かしらね」


あたしは目を見開いた。


「でも本当にお前は言いたいことばっか言うよな。『むかつく』だの『うざい』だの、俺が傷つくなんて微塵も考えずに!」

「あら、言いたいことを言わずに我慢してた私に『言いたいことあるならはっきり言え』って言ったのはどこのどなたかしら?」

「だからっておまえなあ、言い方っつーもんがああるだろ!」

「へえ、理解力の乏しいバカにはどんな言い方をすればいいのかしら?ぜひ教えていただこうじゃないの」

「美玲!」


2人が喧嘩する声を聞きながら考える。

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