ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
あたしと翔太は2人みたいに、言いたいことをちゃんと言えていたのかな。
…答えはノーだ。
少しも言えていなかった。
ジュリア姫のことで不安になったことも、翔太の気持ちが分からなくなったことも。
全部ちゃんと言えていたら、今翔太とこんなに気まずい関係にならなかったかもしれない。
無意識のうちに翔太がくれたネックレスを握りしめていたあたしに、雅人は白い歯を見せて笑いかけた。
「よっし、それじゃあ言いに行くか!」
「え?」
目を丸くするあたしに、美玲まで微笑む。
「あいつは由良並に鈍感だから、ちゃんと言わないときづかないのよ。だから由良が思ってること全部、あいつにぶつけに行きましょう」
2人はぐいぐいあたしを引っ張る。「ま、待って!」とあたしが制止しても聞かない。
「あたし、魔法使えないし、それに聖獣のこともいろいろ分からないままで…それからお父様の言いつけが!」
「んなもん、後でいいだろ」
「今はこっちが優先なの」
2人はこのまま翔太の元に行こうとしているけど、問題は山積みだ。
ただでさえあたしは魔法が使えないし、翔太がどこにいるか分からない。
きっとラトセーヌで姫の護衛をしているのだろうけど、もし聖獣が出没したらその対処に追われることになる。
翔太が強いことはよく知ってるけど、たった一人で聖獣に相対するのは中々に厳しいものがある。
聖獣に立ち向かう翔太を想像して、怖くなった。無事でいてほしい。
「由良さん!」
ちょうどその時部屋のドアが開いて、焦った顔をした千沙さんが息を切らしたまま入ってきた。
「緊急事態です!」
…答えはノーだ。
少しも言えていなかった。
ジュリア姫のことで不安になったことも、翔太の気持ちが分からなくなったことも。
全部ちゃんと言えていたら、今翔太とこんなに気まずい関係にならなかったかもしれない。
無意識のうちに翔太がくれたネックレスを握りしめていたあたしに、雅人は白い歯を見せて笑いかけた。
「よっし、それじゃあ言いに行くか!」
「え?」
目を丸くするあたしに、美玲まで微笑む。
「あいつは由良並に鈍感だから、ちゃんと言わないときづかないのよ。だから由良が思ってること全部、あいつにぶつけに行きましょう」
2人はぐいぐいあたしを引っ張る。「ま、待って!」とあたしが制止しても聞かない。
「あたし、魔法使えないし、それに聖獣のこともいろいろ分からないままで…それからお父様の言いつけが!」
「んなもん、後でいいだろ」
「今はこっちが優先なの」
2人はこのまま翔太の元に行こうとしているけど、問題は山積みだ。
ただでさえあたしは魔法が使えないし、翔太がどこにいるか分からない。
きっとラトセーヌで姫の護衛をしているのだろうけど、もし聖獣が出没したらその対処に追われることになる。
翔太が強いことはよく知ってるけど、たった一人で聖獣に相対するのは中々に厳しいものがある。
聖獣に立ち向かう翔太を想像して、怖くなった。無事でいてほしい。
「由良さん!」
ちょうどその時部屋のドアが開いて、焦った顔をした千沙さんが息を切らしたまま入ってきた。
「緊急事態です!」