ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
「どこにその聖獣は現れたんすか?」


さっきまでは呆然としていた雅人だが、今は状況を把握したのか、焦った顔をして千沙さんに尋ねる。


「場所は王都から南東の方角に当たる港町、アクアゲートです」


「アクアゲートって、漁獲量が国内最大規模だっていう、あの?」


美玲が言う通りだった。

アクアゲートは国内有数の港で、様々な種類の新鮮な魚が毎日水揚げされている。


「ええ。今確認されたチューチュエで聖獣は4体目です」


「残りは1体か…」

「次どこに聖獣が出没するのか分かればいいんだけど…」


雅人も美玲も頭を抱える。

あたしは必死に考え続けていた。


何か、何か、ヒントがあるはずなんだ。

今まで起こったことに、あるはずなんだ。


美玲の綺麗な文字が空中に浮かんでいる。

今まで出てきた聖獣と出現場所が書かれている。


それをじっと見つめながら考え続けた。


見落としているものはないか。

なにか、なにか…。


視線を彷徨わせていると、机の上に国の地図を見つけた。


「…最初に聖獣が出てきたのは、ラトセーヌの泉だった」


地図を見つめながら呟くあたしの声に、みんなは顔を上げる。
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