ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
「どうしてお前らがここにいるんだ?」


姫の警護の任務は極秘事項だ。"サファイア"でも"ガーネット"でも、この任務のことを知るのは当主を始めとする限られたごく僅かな人数のみだ。

もちろん雅人や美玲が知っているわけがない。


となれば理由は1つ。



「…話したんだな」



由良が話したとしか考えられない。

由良はというと否定も肯定もせず俯いて美玲の後ろに隠れている。どうやら俺と会うのが気まずいらしい。

それを見た美玲と雅人は顔を見合わせて溜め息を吐いて俺に笑いかけた。


「そんな怖い顔すんなって。俺達は由良を送り届けにきただけだっつの」

「由良はまだ魔力が戻ってない。私達以外にこんな危険なところまで送り届けられないでしょう?」


軽い調子で笑う二人は高校時代から変わらない。

魔物退治屋でもないのに、なんでこいつらは危険なところへも躊躇せずに進んでいけるのだろうかと不思議に思ってしまうほどだ。

本当に度胸が据わっている、頼りになるやつらだ。


「聖獣が…チューチュエが現れたって聞いたけど」


決して視線をあげようとはしない由良の言葉に俺は返事をした。


「ああ。さっき封印したがな」


俺は指を指して封印の証、白い魔方陣を示す。

それを見た雅人は「まさか封印結界か?!」と驚いた声をあげた。


「この魔方陣、間違いねえ…。これ、古代から伝わるっていう最強の結界魔法だろ?あのすごい魔力を消費するっていう!」

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