ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
「ね、由良」と美玲は由良の肩を叩く。

由良はびくりと肩を上下させて顔を上げた。


その顔にどきりとした。


由良はいつになく気まずそうな、緊張しているような、不安でいっぱいだと言わんばかりの顔で俺を見ていた。まるで怯えているみたいに。


…なんでお前が、俺にそんな顔をするんだ。何があったって言うんだ。


なぜ、どうして。焦りに似た疑問ばかりが頭を駆け巡る。


由良は口を開けて何かを言おうと息を吸い込んだ。

けどすぐに口を閉ざして、不安そうな顔から真剣な顔をしてまた俺をまっすぐに見つめる。


…仕事の時の由良の目だ。



「翔太、あのね、分かったんだ。

次に聖獣が現れる場所も、何もかも」



俺は目を見開いた。


「本当か?」


由良は力強く頷く。


「教えてくれ」

「うん。でも、今は時間がない。すぐに行かないと」


それから由良は振り返って美玲や雅人を見る。

2人は由良を見て「それでいいの?」と問う。

俺には何のことかさっぱり分からなかったけれど、由良はふわりと笑って「……うん」と頷いた。



「これが、あたしの仕事だから」



それから「行こう」と強く言い放った。



「はじまりの場所__ラトノスに」


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