ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
この提案にあたし達は渋々頷くと、姫はとても嬉しそうに「よかった」とおっしゃった。
「せっかくですからわたくしが準備しますわ」と付け加えてそうおっしゃるので、あたしは慌てて「そんな、姫様に準備をしていただくなんて!」と首を横に振る。
「わたくしがしたいのです」
そんな意思の強い姫には「それならば、せめて手伝わせてください」と言うのが精いっぱいだった。
「わたくしは先に参ります。晴人、客人のご案内を頼みますね」
「…仰せのままに」
仰々しく頭を下げる晴人さん。姫は満足そうに頷くと軽やかな足取りで泉のほとりにある小さな小屋の方に行ってしまった。
慌てて姫を追いかけようとすると、低い声が聞こえた。
「……どういうことだ、翔太」
振り返ると、晴人さんがその言葉を言ったらしかった。
その声に怒りのような感情が帯びていることを感じて、あたしはつい足を止めてしまった。
「あなたに話すことはない」
突き放すようにそう言うと、翔太はあたしに「姫を待たせる」と行って姫の向かった方へと歩き出した。
「ちょ、翔太!」
名前を呼んでも振り返らない。
すると晴人さんが「いいのです」と笑った。
「仕方のないことなのです」
その言葉は、瞳は、笑顔は、悲しそうに見えてあたしはなにも言えなかった。
「せっかくですからわたくしが準備しますわ」と付け加えてそうおっしゃるので、あたしは慌てて「そんな、姫様に準備をしていただくなんて!」と首を横に振る。
「わたくしがしたいのです」
そんな意思の強い姫には「それならば、せめて手伝わせてください」と言うのが精いっぱいだった。
「わたくしは先に参ります。晴人、客人のご案内を頼みますね」
「…仰せのままに」
仰々しく頭を下げる晴人さん。姫は満足そうに頷くと軽やかな足取りで泉のほとりにある小さな小屋の方に行ってしまった。
慌てて姫を追いかけようとすると、低い声が聞こえた。
「……どういうことだ、翔太」
振り返ると、晴人さんがその言葉を言ったらしかった。
その声に怒りのような感情が帯びていることを感じて、あたしはつい足を止めてしまった。
「あなたに話すことはない」
突き放すようにそう言うと、翔太はあたしに「姫を待たせる」と行って姫の向かった方へと歩き出した。
「ちょ、翔太!」
名前を呼んでも振り返らない。
すると晴人さんが「いいのです」と笑った。
「仕方のないことなのです」
その言葉は、瞳は、笑顔は、悲しそうに見えてあたしはなにも言えなかった。