ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
『この森で生きていたジェイドとリーリアの実をいただいたので』。
姫の言い回しは不思議だった。「この森で採れた」と表せばいいことをわざわざ「この森で生きていた」と表現する、この言い方で表現する人はなかなかいない。
「姫はとても素敵な言い回しをなさるのですね」
あたしがそう言うと姫ははっとして恥ずかしそうに口元に手をあてて俯き、視線だけ動かしてあたしの方をちらりと見ると「…変だったかしら」と呟いた。
「いえ、そんなことはありません!」
あたしはすぐに首を横に振って否定する。
「とっても素敵な言い回しだと思いました。とても暖かい感じがして」
優しさが溢れているような、泣きたくなるような、なんと表現すれば良いのか分からないがそんな感じがする。
「森は、生きていますから」
姫は俯いて、噛み締めるように言葉を口にした。
「このラトセーヌの泉は生きています。優しくて強くて純粋で莫大な魔力が溢れているのです。それが地下水となって、川となって流れているこの森も、同じように生きています。
今わたくしが生きているのと同じように、この地で息をして、同じように今という時間を生きている」
姫のこの森と泉に対する考え方は、あたしが魔物達に対する考え方と同じだった。
「この地は生きているのです。意思があるのです。だからわたくしは問いかけました。必ず通じ合えるはずです」
わたくしはそう信じているのです。
そう強く姫は言い切った。
姫の言い回しは不思議だった。「この森で採れた」と表せばいいことをわざわざ「この森で生きていた」と表現する、この言い方で表現する人はなかなかいない。
「姫はとても素敵な言い回しをなさるのですね」
あたしがそう言うと姫ははっとして恥ずかしそうに口元に手をあてて俯き、視線だけ動かしてあたしの方をちらりと見ると「…変だったかしら」と呟いた。
「いえ、そんなことはありません!」
あたしはすぐに首を横に振って否定する。
「とっても素敵な言い回しだと思いました。とても暖かい感じがして」
優しさが溢れているような、泣きたくなるような、なんと表現すれば良いのか分からないがそんな感じがする。
「森は、生きていますから」
姫は俯いて、噛み締めるように言葉を口にした。
「このラトセーヌの泉は生きています。優しくて強くて純粋で莫大な魔力が溢れているのです。それが地下水となって、川となって流れているこの森も、同じように生きています。
今わたくしが生きているのと同じように、この地で息をして、同じように今という時間を生きている」
姫のこの森と泉に対する考え方は、あたしが魔物達に対する考え方と同じだった。
「この地は生きているのです。意思があるのです。だからわたくしは問いかけました。必ず通じ合えるはずです」
わたくしはそう信じているのです。
そう強く姫は言い切った。