ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
いつの日か、ワイバーンの長にも言われた。

助けてくれてありがとう、と。


だからどこかに、あるはずなんだ。

魔物も魔法使いもともに生きることができる世界が。


「あたしは探し続けています。

魔物と魔法使いがともに生きれる世界のために、あたしに何ができるのか」


あたしには世界を変えてしまえるほどの大きな力はない。

だからこそ自分に何ができるのか、少しでもそうなって行けるように何ができるのか。

それが知りたくて、探し続けてる。


あたしはまっすぐ姫を見て笑って見せた。


「姫も、笑ってしまいますよね。可笑しいっておもいますよね。

魔物退治屋の娘が魔物を退治したくないと思っていて、それどころか魔物と一緒に生きられる世界を望んでいるなんて」


すると姫は「そうですわね」と言った。


「魔物退治屋の、"ガーネット"のご令嬢が、魔物を退治したくないとおっしゃるというのは、考えてもいませんでしたわ。

その意見を可笑しいとおっしゃる人も確かにいらっしゃるのでしょうね」


けれど、と姫は強く言った。


「魔物もわたくし達と一緒に生きている、というお話、わたくしはとてもすてきだと思いましたわ。それにわたくしもそう思いますの。

この世に生きるすべてはわたくしと同じように生きていると。同じ命をひとつずつ持っているのだと」


だから笑いませんわと微笑むと、姫は立ち上がった。


「笑いませんわ。笑えませんもの。だってあなたの意見はわたくしと同じですから」


それから頭を下げて「先ほどはごめんなさい」と謝られた。

まさかそんなことをされるとは思っていなくてあたしは慌てて「顔をあげてください」と言った。
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