ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
晴人さんの話の通りなら、チーリンが現れたのは今日が初めてだということになる。

翔太は、チーリンは何者かによって封印を解かれたことを伝えた。

「この魔力馬鹿が魔力欠乏を引き起こすほど、チーリンを始め聖獣の封印はかなりの魔力を必要とする。最高難易度の封印結界だ。自然消滅的に破られるようなものではない」

「ちょっと、魔力馬鹿ってどういう意味！？」

翔太の言葉に待ったをかけると、翔太は冷たい目で睨みつけてきた。

「そのままの意味だ。馬鹿みたいに魔力量が多いんだよ、お前は」

「褒められている気がしない！」

晴人さんは黙って翔太の言葉を聞き入れていた。情報を聞き入れて状況把握をしようとしているようだった。


「それからこれを」


ポケットから緑色の小さな装置を取り出すと晴人さんに手渡した。

「これは？」

「チーリンの首につけたれていた装置だ。このせいでチーリンは苦しめられて暴れていた。おそらく、チーリンを解き放ったやつが取り付けたんだろう」

晴人さんはその装置を見つめると眉間にシワを寄せた。

「これは私がお預かりして調べておきます」

「ああ」

翔太はふっと視線を逸らして素っ気なく言った。多分まだ翔太は晴人さんのことを勘違いしたままなのだろう。

それを思うともどかしさで胸がぎゅっと痛んだ。
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