距離
「どうしたの」
私の予想外の発言に、裕真は戸惑っていた
「どうしてここにいるの」

心配してくれている相手に対して、なんという失礼な言い方なんだろう…

裕真は「君が寂しそうだったから」と、またあの悲しい顔を見せた。

「…違うの。そういう意味じゃないの」
私は自分の冷たさに苛立ちながら訂正する
「どうして私を心配するの」


裕真は驚いた顔をして、笑った。
優しく笑った。


「大切だからだよ」

そして裕真は私の頬を濡らしていた涙を手でぬぐった。
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