距離
あの真奈はなんだったんだろう。
心配してくれていたのだろうか?


帰宅してから裕真と電話をした。
「今日ね、昔からの友人と食事をしてきたの」
裕真は優しく返事をする、どこに、だとか、何を食べたの、とか。
「真奈っていうんだけどね、あなたに会いたがってたわ」
自分の大切な人たちが仲良くなるのは見ていて幸福だろうな、と少しわくわくしていた。

「…都合が合えばね」

思いの外裕真は喜んでくれなかった。
都合なんて、合わすものなのに。
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