距離
裕真が近づいてくる。


「…?ゆう……っ、」

唇が触れ、喉を温かいものがトロトロと流れていく。
とても甘くて、優しい味がする…

「−−、ぁ …」

裕真の唇が離れて、初めてこの液体がコーヒーなのだと気付く。

「どう?」
裕真が何かたくらんでいるかのように口元を上げた。

「うん…美味しい…」
「でしょ?」
満足気に頷いて、飲む?と聞いてきた。
うん、と答えるとまた裕真が口移しで私にコーヒーを与える。

私のエネルギー源はコーヒーなのではないかと思うくらい、裕真のくれるコーヒーは私の身体中に浸みていく。
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