距離
ただ、まだ頭では糸が絡まる。
キスをするたび、糸が絡まる。

私は裕真の首に手を回し、抱き寄せる。
「…大好きなの」
耳元で、泣きそうになりながら言う。
「すごくすごく大好きなの」
自分でも驚くほど小さな、声にもならない声で…というよりは、声が出ないのだけれど…告げた告白は、裕真には届いたのだろうか?
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