距離
夕方、真奈から携帯に連絡が入った。

「紗枝〜どうなの?その後」
真奈はまるで高校生のような聞き方をする。
「どう、って別に…」
昨日のことを思い出し、恥ずかしくなって頬が赤くなる。
電話の向こうに居る相手なのに、と思う。

「うそ、キスくらいしたんじゃないの?」
きゃっきゃ言いながら真奈は笑う。どうして女はこんなに勘が良いのだろう。
「……うん」
「あ、当たったんだ〜」
また聞かせてよね、と真奈とは電話を切る。
< 43 / 101 >

この作品をシェア

pagetop