距離
食事をして、散歩をする。

また、いつも通りにすごしてしまう。
私は臆病だ。



今日は私の家に来る日だ。
私が家に向かって歩きだすと、裕真が立ち止まる。

「どうしたの?今日はいつもの紗枝じゃないね」

心配してくれている。こっちにまで伝わるほど。
あぁ、この人は何でもお見通しなのだ。なんて素敵なのだろう。
でもどうして、『いつもの私じゃない理由』までは見通しきれないのだろう。
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