距離
「紗枝はそれが不満なの?」

違う。出会いなんてなんでも一緒だ。
私は首を横にふる。

「じゃあ、何でか知りたいんだ?」

裕真は悲しそうな顔をする。
「紗枝を…傷付けたくないんだけど、それでも知りたい?」

月明かりに照らされた裕真の顔はひどく恐ろしく、私を後ずさりさせた。
< 58 / 101 >

この作品をシェア

pagetop