距離
「違うの、違うの」

ただひたすらそう言っていた気がする。
だって違うんだもの。


裕真は困ったように、でもどこか安心したように私を抱きしめてから、家に招いてくれた。

それでも私は違う、と何度も言い続けていた。
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